日本と海外の大学に合格した卒業生に、どのように進路を決めたのか、受験勉強の進め方、出願準備で意識したことなどを振り返ってもらいました。
これから海外大を目指す方や、進路に迷っている方にとって、進路選択や受験準備のヒントとなる内容です。
S.O.さん(2025年度卒業生)
合格校:Lake Forest College / Furman University / 東京大学 理科Ⅰ類 / 順天堂大学 医学部 / ほか
YGCでの受講クラス:Academic Preparation College Admission Package
Sさん
- 日本の大学と海外の大学の両方を目指そうと思った理由を教えてください。
僕は小学校時代の6年間、アメリカに住んでいました。その経験もあり、海外、とりわけアメリカに戻りたいという気持ちがありました。それに加え、中3の三学期にニュージーランド留学に行き、現地で多様なバックグラウンドを持つ人々との交流を通じて、自分の価値観や世界が広がっていく感覚がたまらなく好きだと気づきました。様々な価値観を持つ人々に囲まれながら、伸び伸びとした刺激の多い大学生活を送りたい、自分の興味のある学問をフレキシブルに自分で選び、教養を深めたいと思い、アメリカのリベラルアーツカレッジを志望しました。
国内の進路については、明確に学びたい学問がまだ決まっていなかったこともあり、最初の2年間は教養課程で幅広く学びたい、優秀な仲間に囲まれながら学生生活を送りたい、そして留学の機会が多い方が良いと思い、東京大学理科一類を志望しました。
- 日本の大学と海外の大学では、求められる準備や対策が大きく異なると思いますが、どのように両立しましたか。
僕が思うに、国内大学の受験は「答え」を求めるゲーム、海外大学は「答え」のない問いと向き合うまさに正反対のゲームです。いざこの二つを両立するとなると、明確なスケジュール管理と継続した学習が重要になります。
僕の場合は、国内受験が推薦やAO入試ではなく一般受験だったので特に大変になることが予想されたので、YGCと相談して、10月までに海外大学の出願プロセスを一通り終え、その後は国内受験に向けた対策に完全にシフトしていくと決めました。また、家にいるときは海外大学の準備をして、学校や塾では国内のみに専念するなど、場所によってメリハリをつけて不器用ながらもスイッチを切り替えていました。
- 日本と海外の両方を目指す中で、YGCでの学びやサポートで役立ったことは何でしたか。
YGCでは主に海外大学の対策でお世話になりました。通っていた高校ではあまり情報を入手できなかったので、海外大学の情報を共有してもらったり、自己分析の作業を進めたり、SATの対策をしたり、エッセイの執筆を手伝ってもらったりと、自分が出願プロセスで取り組みたいことに柔軟に対応してもらえました。自分1人では気づきにくい面白いエピソードなども、YGCの先生や友人・家族などと対話を重ねることで不意に見つかることがありました。
また、日米併願の最大の鬼門となるスケジュール管理の面でも大変助けられました。「書類を具体的にいつまでに完成させないといけないか」を意識し、逆算して1週間に一度の授業で「課題」を与えられたため、それがとても良いペースメーカーになりました。
- 中学校・高校で、一番力を入れて取り組んだことは何ですか。
一番力を入れたことが何かと聞かれると、一つに絞るのは正直難しいです。ただ、中高6年間ずっと胸に抱き続けていたのは、「その場その場を本気で楽しむ」という思いです。
中学生の時は部活に打ち込み、高校になってからは文化祭のバンド活動や運営、課外活動での外国人との交流やスタディーツアーなど、目の前のあらゆることに全力で飛び込みました。勉強においても、一見退屈に思えることには「どうせやるなら好きになったほうがいい」と楽しむための模索から始めました。物理や数学も、背景にある奥深さに気づいた瞬間に一気に面白くなり、夢中になって取り組めました。
勉強も遊びも学校行事も、すべての現実をとことん好きになり、楽しむ。そして何より、つらい時でも一緒に笑い合える最高の仲間たちに支えられながら、本当に自由で彩り豊かな中高生活を駆け抜けることができたと思っています。
- 部活動・委員会・課外活動はどんなことに取り組みましたか。
中学ではバスケットボール部、高校では軽音楽部に所属していました。バスケ部ではチームワークの大切さを学び、軽音部ではボーカルやギターのバンド演奏を通じて、音楽で場を盛り上げたり和ませたり人を笑顔にしたりする幸せに気づくことができました。また中3からは文化祭の実行委員として、仲間と共に目標に向けて企画・実行し、一から作り上げていく楽しさと充実感を3年間経験しました。エントランスの新たなデザインを考えたり、コロナ禍で中止になっていた後夜祭の実施を成功させたりと、全員でヘトヘトになりながらも一つ一つの課題に向き合い、解決策をみんなで見つけました。
課外活動では、中学生に英語を教えたり、海外からの講演者の通訳をしたり、講演者の国について発表する場を設けたりしました。さらに年に2回ほど、広島や韓国などへのスタディーツアーに参加し、第二次世界大戦の歴史について学びを深めました。これらの活動を通じて、異なる人々の考えを知り、それを少しでも理解しようとするプロセスの重要さに気づくことができたと思います。
- 実際に両方に合格して感じたことと、これから日本・海外の両方を目指す後輩へのメッセージをお願いします。
全く異なる準備や対策が必要な日米併願は、周囲に同じ道を目指す人がほとんどいない場合、時間的にも精神的にも本当に大変です。ただ、学問の核心に触れるような国内受験の勉強も、どこまでも自分と向き合い続ける海外大の自己分析やエッセイ執筆も、どちらも僕を大いに成長させてくれたと感じています。
受験を終えて僕が思うのは、「合格」と「不合格」の間にあるのは結果という表面上の違いだけで、そこには自分たちでは制御できない外的要因も大きく絡んでいる、ということです。だからこそ大切なのは、結果そのもので一喜一憂することではありません。
周囲の言葉に迷うことがあっても、最終的には「自分で選んだ道なら、どこかで割り切る覚悟を持つこと」、そして「自分で後悔しない道を選び、納得いくまで悩み抜くこと」だと思います。その泥臭く悩んだプロセスこそが、受験を終えた後もずっと続く、本当の自信につながると信じています。
保護者様
- お子さまが日本の大学と海外大学の両方を目指すと決めたとき、保護者としてどのようなお気持ちでしたか。
私の仕事の関係で、子どもは小学校時代をアメリカで過ごしました。現地でののびのびとした様子や成長ぶりを見て、帰国後も本人にも家族にも「いつかまた海外へ」という思いがありました。
一方で、COVID-19の影響や本人が日本の中高生活を楽しんでいたこともあり、高校からではなく大学進学時に海外へ出る可能性を残す形を選びました。海外大学への挑戦は自然な選択肢でしたが、日本の大学との併願は簡単ではないとも感じていました。不安もありましたが、本人の視野を広げる大切な機会だと受け止めていました。
- 日本の大学と海外大では準備の進め方が大きく異なる中で、ご家庭ではどのように支えられましたか。
海外大学については、学校だけでは十分なサポートが得にくいと感じ、家庭でも塾選びや情報収集を行いました。英語力の維持・向上は早くから意識し、帰国子女向けの英語学習を続け、中学2年で英語検定1級を取得してからは、TOEFL®に舵を切りました。中学3年時のニュージーランドへのターム留学も、海外進学への意欲を高める大きな経験になったと思います。国内大学に向けては、特に数学の強化を意識し、本人に合う学習環境を試行錯誤し、最終的にはオンデマンドで自分のペースで受講できるタイプの塾に落ち着きました。家庭では、話を聞き、情報整理を手伝うことを大切にしました。
- 受験準備の中で、YGCの指導や環境について、保護者として良かったと感じた点を教えてください。
YGCで良かったと感じたのは、単に出願書類を整えるだけでなく、大学ごとの特徴やカリキュラム、キャンパスの雰囲気まで一緒に調べ、本人が「なぜその大学に行きたいのか」を深く考える機会をいただけた点です。エッセイも何度も推敲を重ねる中で、自分の経験や価値観を見つめ直し、言語化する力が育ったと思います。また、足りない点を指摘するだけでなく、本人の良いところを見つけ、褒めて伸ばしてくださる指導が印象的でした。SAT対策も含め、海外大学出願の複雑なプロセスを複数の先生方が親身にサポートしてくださり、保護者としても大きな安心感がありました。
- 最終的な進路を考えるうえで、ご家庭で大切にされていたことは何でしたか。
周囲の期待ではなく、本人が本当に学びたいと思える環境を選ぶことでした。当初、私(母親)は海外大学に強く惹かれ、父親は国内大学、特に医学部を期待する気持ちもありました。しかし本人は、入学前に専門を一つに決めるよりも、理系・文系を含めて幅広く学びながら関心を見極めたいと考えていました。そのため、海外では少人数制のリベラルアーツ大学、国内では入学後2年間を教養学部で学べる東京大学を軸に検討しました。家族として、本人の思いを尊重し応援していきました。
- 日本と海外の両方を視野に入れて受験を進めた経験は、お子さまにとってどのような意義があったと感じますか。
日本と海外の両方を視野に入れた受験は、同じ学校の友人たちのほとんどが国内大学のみを目指している中、時間配分への焦りや孤独を感じることもあったかもしれませんし、本人にとってチャレンジングだったと思います。それでも、その分大きく成長したと感じています。海外大学出願では、自分はどういう人間で、何に関心があり、どのような環境で成長したいのかを深く考える必要がありました。一方、日本の大学受験では、学力面で粘り強く努力する力が鍛えられました。
結果として進学先は東京大学になりましたが、この過程を通じて、国内外を問わず自分の可能性を広く捉え、将来への視野を大きく広げられたと思います。