YGCでは、海外大学への進学をご検討中の方向けに、現地での学生生活や出願方法に関して、大学別に情報を掲載しています。今回は、マサチューセッツ工科大学(MIT)に関しての情報をお届けいたします。
マサチューセッツ工科大学(MIT)
種類 | 私立大学 |
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場所 | アメリカ合衆国・マサチューセッツ州ケンブリッジ |
創立年 | 1861年 |
生徒数 | 学部生約4,500人 |
留学生比率 | 9% |
MITは全米屈指のエリート名門校の1つとされており、ノーベル賞受賞者を多数輩出しています。理系分野に強いことから男子学生が多いイメージですが、男女比は55:45とほぼ半々です。ハーバード大学とはライバル校でありながらも、物理学や生物学などの共同研究組織を立ち上げるなど、共同研究も盛んです。
学生生活
授業・専攻
- 専攻
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- School of Architecture & Planning(建築学・都市計画・地域計画)
- School of Engineering(工学)
- School of Humanities, Arts & Social Sciences(人文科学・社会科学)
- Sloan School of Management(経営学)
- School of Science(理学)
MITは学問を探求し、科学やテクノロジー、その他の分野で21世紀の世界に大きく貢献できる学生の教育を使命とし、学生一人ひとりが人類の向上のために賢明に創造性を持ち、かつ大きな成果をあげられるような知能と情熱を育てることを目標としています。学部生の主専攻は46種類、副専攻は49種類あります。専攻は1年生の終わりに決定し、5、6割の学生は工学を専攻します。理系で有名な大学ですが、人文科学・美術・社会学の学部もあり、幅広い分野の教養を身につけることができます。
学部生は入学直後からThe Undergraduate Research Opportunities Program (UROP)という研究プログラムに参加できます。UROPは講義を聴くといった受動的な形式ではなく、実験や実習を通して実際に学部生に先端研究に触れる機会を与えるプログラムです。これは、MITが世界で初めて実施し、東京大学でも導入されています。学部生は①単位として履修する②アルバイトとして給料を貰う③ボランティアとして活動する、のいずれかを選択できます。UROPの多くは教授の研究を手伝うプログラムですが、自分のしたい研究があれば、教員の監督のもと実践することができます。UROPを通じて技術論文を書いたり、専門的な会議に参加したり、卒業生やスポンサーの前で発表をするなど卒業後に必要となる力を身につけることができます。
MITでは9月から12月が前期、2月から5月までが後期と設定されています。1年間の中間である1月はThe Independent Activities Period(IAP、自主的活動期間)と位置づけられており、通常の授業は行われません。この1ヶ月の間に単位取得可能な授業が80以上、単位とは無関係の活動が600以上用意されており、様々な分野の活動に参加できる機会となっています。また、この期間を利用して海外旅行に行く学生もおり、学生たちの自由が尊重されている大学であることが分かります。
課外活動・居住環境
部活動を含むサークルは500以上あり、学業面以外でも充実した大学生活を送ることができます。スポーツはvarsity(学校代表)レベルの強いチームから、初心者向けのサークルまで様々なレベルのチームが用意されています。
大学在学中の住宅は4年間保証されています。学部生は12棟ある寮の中から自分に合った寮を選ぶことができます。大学が遠く、自宅から通学ができない大学1年生は寮生活が義務付けられています。MITでは1年生から上級生と共に寮生活を送ります。多くの学生は4年間同じ寮で生活しますが、別の寮に移ることも可能です。各寮には住み込みの教員や大学院生のチューターもいます。
出願
留学生が出願に必要なもの
- エッセイを含むMIT独自の願書
- 出願料 $75
- テストスコア(以下の2つより選択)
- SAT またはACT Plus Writing および SAT Subject Tests2科目(数学と科学の領域から1つずつ)
- TOEFLおよびSAT Subject Tests2科目(数学と科学の領域から1つずつ)
- 成績証明書、School Report
- 先生からの推薦状2通(数学または科学の先生から1通、人文・社会科学または外国語の先生から1通)
- インタビュー(受けることが強く推奨されている)
出願について
MITでは協調性や行動力があり、世界をより良い場所にしたいという強い意志を持った学生を求めています。
出願書類は、願書や成績証明書、テストスコア、推薦状です。テストはSAT Subject Tests2科目(数学と科学の領域から1つずつ)に加え、①SAT Reasoning TestかACT plus Writing、または②TOEFLのどちらかを選択して受験しなければなりません。推薦状に関しては、数学か理科の先生から1通、人文・社会科学か外国語の先生から1通の計2通必要です。インタビューは必須ではありませんが、MIT側では受験することを推奨しています。
2016年度より、留学生も早期出願が可能となりました。早期出願の場合は、入学する前年の11月1日が願書の締切になり、12月半ばごろに結果が通知されます。毎年4,000人以上の留学生が出願しますが合格するのは150人以下と非常に難度の高い大学です。
奨学金
家庭の収入額により奨学金の額が決定するNeed-Basedの奨学金のみが付与されます。海外大学では出願の際に奨学金の要・不要を申請しますが、MITでは学費を全額自己負担できるかどうかが合否とは無関係のNeed-Blindという制度を取っています。また、全学生の約9割が何かしらの奨学金を受け取っています。留学生にも米国内の学生と同じ制度が採用される、数少ない大学です。