2016年11月20日(日)に「YGCグローバル教育講演会」を実施しました。
参加者の皆さまからいただいた質問に、田沢先生がお答えしてくださいました!!(随時更新予定)
Phillips Exeter AcademyについてのFAQ
- Phillips Exeter Academy(以下、Exeter)と他のten schoolsとの校風や生徒のカラーの違いを教えてください。
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日本語の授業があるのはExeter、Phillips Academy Andover、St. Paul’s Schoolだけです。ハークネス法の授業に特に力を入れているのはExeterです。
St. Paul’s Schoolは全寮制の学校で、バレエに力を入れたければSt. Paul’s Schoolが一番よいと思います。また、高収入世帯のお子様が多く、スクール・スピリットが高いのはDeerfield Academyです。
他の学校も毎年新しい試みをしていると思いますので、ぜひ各学校のホームページをご覧ください。
- The Ten Schoolsとは…
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※The Ten Schoolsとは、以下のアメリカの名門ボーディングスクール10校のことを指す。
留学に関するFAQ
- 留学させるタイミングでベストな時期、期間を教えてください。
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まず日米の教育制度の違い(日本は6・3・3制:アメリカ東海岸は6・2・4制)と年齢との兼ね合いですが、アメリカの高校を4年間すべて経験させたいのであれば、日本の中3生からとなります。日本の中学校を卒業すると、アメリカの高校2年生(Sophomore)入学になると思います。また日本の中学校を卒業してからアメリカの高校1年生に入学すると、1年のズレが生じます。
留学そのもののベストな時期よりも、お子様にとってベストな時期を考えることが一番大切です。お子様それぞれによって成長度がちがいますし、長期留学が良いのか、短期留学が良いのか等が変わってくると思います。「ベストな留学はこれ」といった万人に通用するマニュアルはないと思われます。
- 私立中高一貫の6年間の中で、留年させてでも行くべき価値はありますか。
- お子様それぞれの性格や成長度合いによって判断するべきだと思います。もし、留学するには未熟なお子さんであれば、私立中高一貫校に通っているかどうかに関わらず、留学時期を待った方がいいと思います。それは日本でも学ぶことがまだたくさんあるからです。
- 小6で今英語が話せません。留学することは可能でしょうか。
- 英語が話せなくても留学は可能だと思います。ただ年齢が低く、何か問題があった時に心配なのであれば、いざという時に日本語が話せる人がいるようなプログラムに参加した方が安心かもしれません。
- ExeterのSummer Programについての詳細(日程や条件、費用など)を教えてください。
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プログラムの詳細は下記のページをご参照ください。
http://www.exeter.edu/exeter-summer
日程は2017年7月2日から8月4日までです。費用は約8,780ドル(出願料は100ドル)です。申込は全てインターネット上で行います。すでに2017度の申込が始まっております。申込については下記ページを参考にしてください。
- 留学生は長期休暇の際、寮にいられますか。寮が使用できない場合、ホームステイなどで帰国しないですむ方法はありますか。
- 長期休暇中は、寮は閉まります。サンクスギビングの休みと春休みには学校主催の旅行があり、ホームステイと組み合わせて、アメリカにいることはできます。ただ、この期間の学校主催の旅費は、日本への飛行機代よりも高くなります。生徒たちは学期中、猛勉強し本当に疲れ切りますので、長期休暇中は自宅に帰りゆっくり休ませてあげたいです。
- 子どもが海外留学してみたいと思うように導くには、どうすればよいのでしょうか。
- 海外旅行に連れて行ってあげたり、海外の映画を見せたり、海外のニュースについて話したりと、海外に興味を持たせるようなことをするのがいいと思います。もし、外国人の生徒と何か活動や会話等ができる機会があれば積極的に参加することをお勧めします。
- 安全面や環境などを考慮して、留学させるのにおすすめの国はどこですか。
- 頼りになる親戚や友達のいる国なら、その国がいいのではないでしょうか。いないようであれば、国というより、しっかりとした教育機関で留学生に対するサポートのある学校が良いのではないかと思います。
入学に関するFAQ
- 中学受験に向けて勉強中ですが、これからExeterに行くためにどのような勉強が必要ですか。
- Exeterの入学には作文、面接、そしてSSATというテストの受験が必要です。まずはSSATの勉強をするのがいいかと思います。作文と面接は本人の成長度、人格を審査するものです。勉強で身につくものではありません。普段から、スポーツ、音楽、ボランティア、読書などをして、いろんなことを考え、人間的に成長していく努力が必要です。
- Exeterでは、留学生に「日本人枠」や「日本人の人数制限」はありますか。
- ありません。あると日本人の生徒も増えるのではないかと思います。
- Exeterの入試に必要なものは何ですか。
- 詳細はこちらのページに記載されていますが、以下のものが必要です。
- 作文
- 先生3人からの推薦状(1人は学問以外の先生、1人は文学、1人は数学の先生から)
- SSATのスコア
- 親からの推薦状
- 学校の成績表
- 学校からのレポート
- SSATやTOEFLの点数を教えてください。
- 【桑名さんによる回答】
私はSSATのみで、TOEFLは受けませんでした。Reading とMathが両方98 percentile、Englishが85 percentileでした。総合計では 97 percentile(~2250 ぐらい)だったと思います。
- 入学に向けてどのような準備をしましたか。
- 【桑名さんによる回答】
入学に向けて、私はまずテスト勉強を早めに終わらせて、学校の成績に集中しました。SSATのためには模擬試験を受け、一週間に1~2時間ぐらい勉強しました。その上で自分が好きな本を読んで、知らない言葉も調べたりしました。一番役に立ったのは、SAT flash cards 200という、テストでよく出てくる難しい語彙の暗記カードです。
進路に関するFAQ
- Exeterの日本人留学生の進学先とその後の職業を教えてください。
- 生徒それぞれですし、人数が少ないため、傾向のようなものは見いだせません。たいていはアメリカの大学に進学していますが、日本の大学に進学した生徒もいます。アメリカの会社に勤めている生徒もいれば、日本に帰って就職をしている生徒もいます。
適性に関するFAQ
- 日本の集団討論では、「人の意見をよく聞いている人」が評価されるのですが、米国ではどうですか。
- 相手の意見をよく聞いた上でそれに対して自分の意見を述べられる人、また自分の意見を述べないにしても、相手の意見がいいと思うのか悪いと思うのか、またなぜそう思うのか等を考えられる人は評価されます。ただ、黙って他人の意見を聞いているだけでは、その人が何を考えているのか周囲に伝わらず、話をきちんと聞いているかも判断できないので、評価はされません。
- サポート役は評価されないのでしょうか。どのように個性の尊重をするのでしょうか。
- サポート役が評価されないというよりは、チームワークができない人は評価されないというのが実情です。リーダーシップ教育は、全員がリーダーになるための教育ではなく、一人ひとりがリーダーとしての資質、自分で何をしたら良いのか決めることができる、自分の行動に責任が持てる、人のことを考えて行動できる、といった力を身につけるための教育です。チームの中では、サポート役もいい仕事をすればもちろん評価されます。
- ボーディンスクールに向かないタイプの子どもの性質はありますか。
- 自分で物事を決められない、自分の意志で行動できない、何か嫌なことがあったら人のせいにするタイプの他力本位な子供は、ボーディングスクールに向かないというより、受験しても受からないと思います。
費用に関するFAQ
- Exeterの親の所得の平均値と中央値はどれくらいでしょうか。また、留学生の親の所得の平均値も教えてください。
- 生徒の多様性を重要視しているので、人種、宗教、地域性、所得、それぞれ多様な家庭から生徒を集めています。所得の平均値、中央値のようなものはExeterの保護者の全体像を図る参考になりません。留学生の所得の平均値のデータもございませんが、経済的に余裕のあるご家庭のお子様が多い印象です。授業料に加え、生徒の長期休暇の際の飛行機代、また授業参観や大学受験説明会等に参加する保護者の飛行機代、またその時の滞在費等、諸々な費用がかかります。
- 留学生にも奨学金はありますか。またその形式も教えてください。
- アフガニスタンなどの国からの留学生には奨学金が出ることがありますが、基本的には、Exeterでは留学生向けの奨学金はあまりないようです。日本で海外留学支援の奨学金を探す必要があります。
その他のFAQ
- PCを子どもに与えることで、有害サイトへのアクセスを恐れています。アメリカではどのような対策をしているのでしょうか。
- Exeterでは、アクセスできるサイトを制限するなどの対策はしていませんが、性教育の専門家などを学校に招き、全校朝礼の時に有害サイトの悪影響などの話をしてもらっています。
- ロボットやFabのLabはあるのでしょうか。あるとしたら指導する教師のキャリアを教えてください。
- Labはありませんが、Roboticsという名前の授業があります。担当教師は物理の先生です。詳しい内容はホームページにあるCourseもしくはCourse of Instructionをご覧ください。
- US式トップクラスの教育が現在の格差・分断を生んでいるとすると、トップクラスの人々のあるべき姿はどのようなものだとお考えですか。
- これは、皆で考えていく問題だと思います。トップクラスの人だけに限らず、皆が自国のことだけ、自分の家族のことだけ、あるいは自分のことだけを考えるのではなく、他人のことを考えて、皆にとって最善の道を考えるようにすれば、よりよい社会になるのではないでしょうか。でもそれは全員が統一的な教育を受けるというのとはちがうと思います。引っ張っていける少数のエリートをしっかりと教育し、国全体を考えた舵取りのできる人材を育て上げる必要があると考えます。
- 共学校と男子校(女子校)とではリーダーシップ、学業という点でどちらがいいと思いますか。
- 生徒それぞれだと思います。でも社会に出ればみんな共存なので、共学の環境に慣れておく必要もあるかなと思います。