Global Citizens Youth Summit(GCYS)とは
Global Citizens Youth Summit(GCYS)はアメリカ合衆国のNPO法人であるGlobal Citizens Initiative(GCI)が主催するプログラムで、未来を担う若者がこれからのグローバル社会で活躍するためのアイディアを育むことを目標にしています。
米国・ハーバード大学教授クラブにて開催されるこのプログラムでは、世界中から集まった国際的に活躍する優秀な高校生が、9日間生活を共にしながら、現代社会における「グローバル・シティズン」とは何かについて議論し考えを深め合います。
昨年度に続き今年もSAPIX YOZEMI GROUPから2名の生徒を派遣しました。
2015年度 参加者紹介
重政英彦さん
現在Y-SAPIXに通う高校2年生。国立中高一貫校に在籍。
歴史が大好きで、特に清朝の時代の中国史について詳しいそうです。帰国生でないにも関わらず、英検1級に合格しており、ネイティブ並みの発音で流暢に話すことができます。また、様々な英語コンクールでも入賞されています。
松崎真子さん
中学1年生までNYに住んでおり、帰国後私立女子中高一貫校に進学。現在高校2年生。
特技はクラシックバレエで、趣味は茶道だそうです。これまでにも海外の学生向けワークショップ等に参加経験があります。
GCYS2015 参加者インタビュー
SAPIX YOZEMI GROUPからGCYS 2015 に参加した重政英彦さん、松崎真子さんのインタビューを紹介します。
今回のプログラムにはどのような参加者がいましたか。
- 松崎さん
- 今回のプログラムでは世界14か国からあわせて20の言語を話す生徒が集まりました。特にアフリカの言語や中東地域の言語はあまり聞いたことがなかったため興味深く、刺激的でした。
出会った参加者の中で印象に残っている人や、仲良くなった人はいますか。
- 松崎さん
- 私が一番仲良くなったのは、タジキスタン出身で現在ケニアの学校に通っているムスリマという女の子です。彼女とはルームメイトで、宗教や学校など幅広く多くのことを話しました。
- 重政さん
- 僕はケビンという、中国系アメリカ人で、アメリカ生まれアメリカ育ちの方と仲良くなりました。また、アルビンという香港出身の方は、よく日本に旅行に来ているそうで日本食のことをよく知っていて、3日目に日本食が出た時にお寿司の話をしました。僕は日本人なのにお寿司が食べられないので、みんなが笑っていました。エチオピア出身のヌハミンという方は24人の中で一番活発に質問や発言をしていて、印象に残っています。
日本の文化や習慣について説明する機会はありましたか。
- 重政さん
- イギリス人の方とイギリスの王族や政治について話す機会があったので、日本の皇族や国会の二院制について説明しました。イギリスは戦前の貴族院のようなものがいまだに残っているそうですが、日本にはそういうものはないことなど、いろいろ日本のことについて伝えることができました。
最終日のプレゼンテーションでは、他の参加者やグループはどんな話をしていましたか。
- 松崎さん
- 私が印象に残っているのは、エチオピア出身のヌハミンのプレゼンテーションです。エチオピアでは、女性の識字率が18%だそうです。彼女は字が読める18%の人たちが、学校で夢を持ってはいけないと教育されていることに疑問を感じていました。まずは字を読める人たちが夢を持ってさまざまな職業に就くことを促進し、その次に字が読めない82%の人たちへの教育環境を整えたいということを話していました。
- 重政さん
- タジキスタン人の女の子は、ケニア近隣の学習環境があまりよくない公立高校を改善しようとするプロジェクトについて、またイギリス人の女の子は、イギリスに移民したばかりの人に他の学校の方たちと一緒に英語を教えるというプロジェクトについての提案をしていました。
ハークネス法という講義形式で授業を受けた感想を教えてください。
- 重政さん
- 日本の授業形態とは異なり先生が一歩下がって僕たちの活発な意見を聞く感じで、いろいろな国から集まっていた人たちのその国ならではの意見が聞けて刺激的でした。最初は緊張して意見を出すことがあまりできませんでしたが、英語が多少拙くても一生懸命話すと周りも真剣に聞いてくれたのでうれしかったです。
- 松崎さん
- ハークネス法というのは、会社などで行われる会議と同じような形式をとっていると感じました。自分の意見をどんどん積極的に言うことや論理的思考力、頭の回転の速さが求められるこの形式の授業を、高校生の段階で体験させてもらえたことはすごくありがたく思います。
このプログラムを通してお二人が非常に印象に残った、また参加してよかったと思う講義はありますか。
- 松崎さん
- 安倍首相も参加されるWorld Assembly for Womanで登壇される、ハーバードビジネススクールのリンダ・ヒル教授の授業が非常に印象的でした。彼女は集合天才のことを専門に研究されていて、実際にハーバードビジネススクールに行き、授業を聞くことができました。いろんな企業の例(PIXARやAPPLE)を挙げながら、多くの人の知識や考えを集めることでいかに良い結果を出せるかということについて教えていただいたのが、新鮮かつ刺激的でためになりました。
- 重政さん
- 僕もリンダ・ヒル教授の講演を聞いて刺激を受けたのですが、中でも一番印象に残っている言葉が「innovation = noble + useful」という言葉です。innovationというとどうしても新しい(noble)というイメージばかりが先行しがちですが、それと同時に使いやすい(useful)ものでなくてはいけないというところに共感しました。また、Ethics(倫理)の時間に行われたハーバード教育大学院のブルーノ教授の講演では、エジプトで大学生を教えていた経験から、異なった価値観や文化の対立や誤解はなぜ起こるのかということをユーモアを交えて面白く教えて頂きました。
プログラムの中で勉強以外に面白いことはありましたか。
- 松崎さん
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私は2日目に行ったThompson Islandがすごく面白く、仲間と協力し合うことによって信頼関係や絆が生まれることを身をもって感じられました。
その他に最終日のClosing Ceremony(閉会式)とTalent Showが楽しかったです。
私はお点前をして日本の文化を紹介しました。
他にはタジキスタンとアフガニスタン出身の方たちが民族舞踊を一緒に踊ったり、ソマリア人の方が詩を発表したりして、いろんな文化体験ができました。 - 重政さん
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Thompson Islandで一番印象に残っているのは木登りです。正確にいうと木と木の間に吊るされている板を登って行くのですが、これが絶対に一人の力では登れないようになっていて、4人1組で誰かが支えてあげたり、下から押し上げたりしながら協力して上まで登りました。リーダーシップの1つのエッセンスであるコラボレーションを身をもって体験できました。
最後に、プログラムに参加したいと思っていらっしゃる方々に向けてメッセージをお願いします。
- 松崎さん
- 世界に出た時は積極的に自分の意見を発信してほしいと思います。また、日本の文化や自分自身に誇りを持ってどんどん突き進み、どんどん話して発信してほしいと思います。文化交流はやはり海外に行かなければできないことが多いので、いろいろな国の文化について聞いたり、自分の文化を教えてあげたりするのも重要だと思いました。
- 重政さん
- 僕は帰国子女ではなく、こういうプログラムにも初めて参加したのですが、このプログラムを通して国際的な視野を広げることができたと思います。いろんな国から参加者が集まっていたので、その国ならではの話を聞けたのがすごく面白かったですし、価値観の違いは実際に話してみて初めてわかるものがあるなと思いました。
この一週間で、有名な先生の講義を聞き、日本の高校では味わえないような授業形式で海外の生徒たちと討論し、得たものがたくさんあったと思います。この経験を大切にこれからも頑張ってほしいと思います!