YGCは去る11月19日(日)、代々木ゼミナール国際教育センターにて、「第3回グローバル教育講演会」と題して、米国の名門ボーディングスクール、Phillips Exeter Academy現役教員の田沢佳代子先生をお迎えしての講演会を実施しました。
グローバル教育への取り組み ―SAPIX YOZEMI GROUP―
冒頭、SAPIX YOZEMI GROUP共同代表、髙宮敏郎よりご挨拶申し上げ、ボーディングスクールの概要、YGCの取り組み、Triple Alpha社設立の経緯などを説明しました。
ボーディングスクールでのICTの活用
続いて、Phillips Exeter Academy教員の田沢佳代子先生よりご講演いただきました。冒頭、Philips Exeter Academy発祥の授業形式であるハークネス*メソッド、豊富な授業講座数、留学生比率、著名な卒業生などの学校紹介がありました。次に講演のテーマであるICTの活用について、日本とアメリカの教育現場における違いを説明しました。Philips Exeter AcademyではLearning Management Systemという学習管理システムを用いてオンライン上で生徒とやり取りをするため、生徒たちが配布物をなくさない、スケジュールを立てやすい、教師と生徒間のコミュニケーションが円滑になる、オンライン授業が可能になるなどのメリットを挙げていました。
米国での成績評価方法 ―多角的に生徒の力を評価する―
また、もう1つの講演テーマである米国での成績のつけ方では、アメリカではテストだけでなく、宿題や授業態度、発言内容でも評価されることを強調し、テストが苦手でもプレゼンテーションやレポートなど他の要素で成績を上げることができると説明しました。さらに、社会に出てから必要となる力として、Resilience(打たれ強さ)、Leadership(指導力)、Flexibility(柔軟性)、Independency(独立心)、Time Management(時間管理)を挙げ、テストでは測れないものも身につけるべき、と強調していました。そしてそれらを身につけるために家庭でできることとして、テストや試験結果以外のところでほめること、キャンプや留学に行かせるなど自立心を育む機会を与えることを提案しました。
米国ボーディングスクールでの経験 ―パネルディスカッション―
引き続き、田沢先生に加え、米国ボーディングスクールの卒業生4名の方々をパネリストとしてお迎えし、パネルディスカッションを実施しました。コーディネーターは弊社共同代表の髙宮が務めました。ディスカッションは、「ボーディングスクールに進学したきっかけ」、「ボーディングスクールで頑張ったこと、辛かったこと」などのテーマに沿って進行し、パネリストの方々はご自身の経験談を交えつつ説明していました。
例えば、進学のきっかけとして「中3の時にボーディングスクールのサマースクールに参加したこと」が挙がりました。またハークネス*メソッドについて、「帰国後の大学生活にも活かせていて、ファシリテーター(会議などで発言者が偏らないようにするなど、議事進行の調整に徹する人)の視点から、客観的に人の意見を聞くようになった」というエピソードも聞かれました。さらに、「(ボーディングスクールでの生活を通して、)自信がなくても、知らない人に話しかけられるようになった」といった意見も飛び出すなど、パネリストの皆さんからはボーディングスクールならではの教育の特色がにじみ出たコメントが多数披露されていました。
最後にYGCから今後のイベントや講座についてお伝えし、会は盛況のうちに終了しました。イベント終了後のアンケートでは、「欧米の学校を卒業しましたが、先生方の生徒に対するまなざしは田沢先生のおっしゃっていた話と同じだった、と思い出しました。日々の努力や伸び方を見てもらえるのは、嬉しいですよね。」、「現役、卒業生の話は初めて聞いたので、とても良かったです。つらくて大変なイメージがありましたが、皆さんが楽しそうで不安が少し無くなりました。」といったお声をいただきました。一方で、「ずっと日本にいた生徒がボーディングスクールに進学した、という事例があれば、そうした話も伺いたかったです。」、「異文化をどのように吸収し、適応力を身につけたかもう少し聞きたかったです。」といったご意見も寄せられました。YGCでは皆様からいただいたご意見をもとに、今後さらによいイベントが開催できるよう、努力してまいります。
本イベントレポートは、今後グループ広報誌「さぴあ」、「SQUARE」、「Y-SAPIX Journal」にも掲載予定です。併せてご覧ください。
*ハークネス(Harkness)は、Philips Exeter Academyの登録商標です。