SAPIX YOZEMI GROUPの国際教育関係の5部門は去る3月18日(日)、「第4回グローバル教育講演会 & 国内外進学フェア~世界と日本を視野に入れたグローバルな進路選択~」と題する合同イベントを、代々木ゼミナール国際教育センターにて開催しました。イベントの前半には翻訳家の関美和先生(杏林大学准教授)による海外進学についての講演、後半には部門別の説明会を実施しました。
第1部 グローバル教育講演会
開会のご挨拶
イベントの冒頭、SAPIX YOZEMI GROUP共同代表の髙宮敏郎よりご挨拶申し上げ、グローバル教育に対するグループの取り組み、帰国生入試や海外進学が増えている背景について説明しました。「技術革新やグローバル化といった子どもたちを取り巻く環境変化の中で日本の教育に求められるのは『critical thinking (批判的思考力)』、『innovation (イノベーション)』、『global-mindedness (グローバルな発想)』ではないか」との指摘を紹介した後、「今後グローバルな学びがより求められる中で、海外で学ぶことが子どもたちの成長につながります。帰国生入試であれ、海外進学であれグループの総力をもって皆様のサポートをさせていただきたい」と結びました。
海外で学ぶ意義
続いてゲストスピーカーの関美和先生が登壇され、講演の前半は先生ご自身の体験に沿ってお話をしていただきました。現在杏林大学でビジネス英語を教え、ビジネス書の翻訳家としてもご活躍中の関先生ですが、実は日本に生まれ、日本の大学を卒業し、日本で就職するという、“マルドメ” (まるでドメスティック)だったそうです。社会人になってから海外への興味が高まり、外資系企業に転職、その後ハーバード・ビジネススクールに入学されました。同スクールでは、発言しないと単位がもらえない仕組みでした。そうした授業と、他の学生・先生とのやり取りを通じて「自らの発信力、多様性、リーダーとしての義務」というハーバードの教えを感じることができたそうです。
海外で学ぶ上での一般的な懸念として挙がったのが、「英語力」と「資金力」です。このうち「英語力」について、関先生は「行けば何とかなる」とした上で、「1万時間英語を勉強するのに、日本で1日1時間やると1年で365時間ですから約30年かかります。一方海外で毎日10時間英語漬けになれば、3~4年で済みます。だからこそ海外で学ぶ意味があります」と話されました。また「資金力」については、「学費がかかるのはもちろんですが、良い学校ほど経済的支援が手厚く、成績次第では奨学金をもらえる可能性が高くなり、アメリカではほとんどの学生が奨学金と学資ローンを組み合わせています」と語りました。
講演の後半は、ご息女の経験に話題が移りました。ご息女は高校時代をアメリカのボーディングスクールで過ごされましたが、中学まで日本で育ち、英語はあまりできなかったそうです。しかし、「とりあえず行かせてみよう」と考えて、アメリカへ送り出した、とのこと。「とりあえず走り始めること、思い立ったら即座に行動する、ということが大切」と回想されました。また、もう1つご家庭で気をつけていたのは子どもに「勉強しなさい」と言わないことだったそうです。「強制させなかったことが結果的に良かったのでは」と話されました。
続いて、高校から留学するメリットについて、「たとえ英語ができなくても留学は早ければ早いほどいい。逆に大学から留学しようとすると、高い英語力が求められるため、高校留学よりも難しくなります」と説明しました。また、早い段階で留学することで、「その後の選択肢が増える」というメリットもあります。海外で勉学を共にした仲間とのネットワークも将来必ず役立ちます」と説明しました。
講演の最後には、「留学すると子どもは自立し、『勉強しなさい』と言わずとも勉強するようになります。保護者の方も、お子さんを通じて新しい世界が見えるようになるかもしれません」と締めくくりました。
第2部 部門別説明会
講演会終了後は、4教室に分かれて部門ごとの説明会を実施しました。参加した国際教育関係の5部門は下記の通りです。
- 代々木ゼミナール国際教育センター(国内大学の帰国生入試)
- SAPIX国際教育センター(国内中学・高校の帰国生入試)
- Y-SAPIX Global Campus (YGC) (海外高校・大学進学) / Triple Alpha (北米ボーディングスクール進学サポート)
- SAPIX USA (米国在住生徒向け、帰国後の中学・高校・大学受験、海外での進学)
各会場には多くのお客様に足をお運びいただき、盛況のうちにイベントは終了しました。また、イベント終了後には個別相談会も実施し、熱心に質問する保護者の方もいらっしゃいました。
アンケートでは、「とてもわかりやすく、希望が広がりました。海外進学に対する敷居が下がりました」と言うお声から、「Q&Aの時間をもう少し多くとっていただきたかった」といったご指摘まで、様々なご意見を賜りました。SAPIX YOZEMI GROUPでは今後さらによいイベントが開催できるよう、努力してまいります。
本イベントレポートは、今後グループ広報誌「さぴあ」、「SQUARE」、「Y-SAPIX Journal」にも掲載予定です。併せてご覧ください。