★Iowa アイオワ州
突然ですがみなさん、「コーンベルト」という言葉を聞いたことはありますか?
「コーンベルト」というのはアメリカの中でトウモロコシが非常に多く生産されている地域の総称で、アメリカ中西部に帯状に広がっていることからこのように呼ばれています。
今回ご紹介するアイオワ州は、まさにこのコーンベルトの中心地です!
日本での主食はお米ですが、アメリカでは朝食の定番コーンフレークなどの原料でもあるトウモロコシが、小麦などと同様に主食の役割を果たしています。アイオワ州はトウモロコシのほか、大豆や卵、豚肉などの生産量が全米トップクラスで、アメリカのみならず世界の食糧供給を支える州の一つだといえます。
映画好きの方は、アカデミー賞作品賞などにノミネートされた「フィールド・オブ・ドリームス」やクリント・イーストウッド監督の「マディソン郡の橋」の舞台として、アイオワ州をご存じかもしれません。
どちらの作品でも主人公は農業を営んでおり、「アイオワ州=農村」というイメージが強いのも、映画の影響があるかもしれませんね。
一方で、近年のアイオワ州は実は「ハイテク」でもあります。
アイオワ州では9月から「デジタル運転免許証」の試験運用を開始しました。運転免許証を携帯しなくても、スマートフォンにインストールしたアプリを利用して免許証を提示することができ、空港のセキュリティチェックの時などにも使用可能です。アイオワ州の運輸局はこのほかにも、リアルタイムで交通情報をチェックできるアプリや免許試験の問題集アプリなどを提供しており、他の州に先駆けてデジタル化をすすめているようです。
また、マイクロソフトやグーグル、フェイスブックなどの大手ハイテク企業のデータセンターが続々とアイオワ州に建設されています。データセンターでは大量のコンピューターが休まず稼働し多くの電力を消費しますが、アイオワ州では風力発電など安価な再生可能エネルギーが豊富なため、全米平均よりも20%近く電力価格が安くなり、大手企業の施設建設につながっています。地震やハリケーンが発生しにくいという強みも、壊れるわけにはいかないデータセンターを建設する上では非常に意味があるといえます。今までの「農業」のイメージとはまた違う経済的発展をしているアイオワ州は、今後のデジタル化社会を語る上で欠かせない州になるかもしれませんね!