★Maryland メリーランド州
いよいよ年末。大掃除やおせち料理の準備など、新年を迎える準備で慌ただしくなりますね。
海外でも新年を迎えるために様々な催しが行われています。アメリカやイギリスの都市部では1月1日に向けて大規模なカウントダウンイベントが行われ、日付が変わった瞬間に豪華な花火が打ち上げられます。日本の年越しそばやおせちのように伝統的な料理は少ないですが、レストランやパブでお酒やジュースを飲んで楽しく過ごすのが一般的です。
今年最後のコラムは、アメリカ東部に位置するメリーランド州についてご紹介します。
メリーランド州の面積の広さはアメリカ50州の中でも42番目と、かなり小さい州です。大西洋に面しているメリーランド州は海との関係が深く、州都アナポリス市は”America’s Sailing Capital”と呼ばれ、ヨットやクルーザーなど娯楽用の船が停泊している光景がよく見られるほか、海軍と海兵隊の士官学校である海軍兵学校の街として知られています。市内にキャンパスがあるセント・ジョンズ大学は伝統のあるリベラルアーツ系の大学で、なんとハーバード大学、ウィリアム・アンド・メアリー大学に次いで全米で3番目に古い大学です。
独立戦争直後の1783年11月から1784年6月まで、アナポリス市がアメリカ合衆国の首都のような役割を持っていました。独立戦争を終結させたパリ条約も、アナポリス市で批准されています。その後正式な首都であるワシントンD.C.を建設する際には、初代大統領ジョージ・ワシントンの指示により、メリーランド州のモンゴメリー郡とプリンスジョージス郡から土地を一部削って連邦政府に寄付されました。寄付された土地は州の南西側にあたり、地図をよく見るとメリーランド州に取り囲まれるようにワシントンD.C.があるのが分かります。
州内最大都市で貿易の拠点としても知られているボルティモア市にあるマクヘンリー砦では、1814年の米英戦争で激戦が繰り広げられました。当時弁護士でアマチュアの詩人だったフランシス・スコット・キーは、激しい戦いの後に砦に掲げられた星条旗を見てアメリカ合衆国の勝利を祝す”The Star-Spangled Banner”という詩をその場で書きとめました。この詩に曲がついたものが、現在のアメリカ国歌です。
4月から始まったこのコラムでは、今年だけでも19の府県と20の州をご紹介してきました。来年からも日本とアメリカのいろんな情報をどんどんお伝えしていきますので、楽しみにしていてくださいね!
それでは皆さん、良いお年を。