YGCは去る8月20日(日)、米国ボーディングスクールの現役生・卒業生からなる学生団体Boarding Schools Alumni of Japan (以下BSAJ)との共催で、「第2回米国ボーディングスクールフェア」を開催いたしました。ボーディングスクールとは、一日の全てをキャンパス内で過ごす、寮制の私立高校のことです。当日は100名近くのお客様にご来場いただき、日本のそれとは趣を異にする、アメリカでの中等教育への関心の高さが窺えました。
グローバル教育への取り組み ―SAPIX YOZEMI GROUP―
第1部講演会の冒頭、SAPIX YOZEMI GROUP共同代表の高宮敏郎よりご挨拶し、当グループのグローバル教育への取り組みについて紹介しました。
米国ボーディングスクール留学の概要 ―SAPIX YOZEMI GROUP Triple Alpha社―
続いて、SAPIX YOZEMI GROUP Triple Alpha社代表の三原卓也が、ボーディングスクール留学の概要について講演しました。米国名門大学への進学率が高いことで知られるボーディングスクールに通うメリットとして、少人数制授業による手厚い教育サポート、様々なバックグラウンドを持つ学生と共に生活し学ぶことで形成される国際人としての人格、卒業後のネットワークなどを挙げていました。
ボーディングスクールについてのプレゼンテーション ―BSAJ―
次に、BSAJメンバーによるボーディングスクールについてのプレゼンテーションが始まりました。まず登壇したのは、BSAJ共同代表の荒木萌衣さん。BSAJを設立した経緯、団体の活動目的などを説明した上で、「米国ボーディングスクール進学という選択肢を、学生生活のオプションとして日本の方々に提案したい」と、意気込みを語りました。
続いて、BSAJのもう一人の共同代表、小林太一さんが登壇しました。ご自身の出身校であるGroton School(マサチューセッツ州)の紹介映像とともに、ボーディングスクールでの一日の過ごし方や、その歴史、カリキュラムなど特徴を説明しました。最後には、“Our circle has infinite points, one of which belongs to you. (「我々のサークルは無限の点で出来上がっています。そのひとつがあなたです。」)”という印象的な一言で、説明を締めくくりました。この言葉は、小林さんがGroton Schoolを卒業した半年後、校長先生から届いたバースデーカードに書かれていたそうです。生徒と先生が寮生活で苦楽を共にすることで生まれる、家族感を象徴するエピソードでした。
次に登壇したのはBSAJメンバーの速水七星さん。Emma Willard School(ニューヨーク州)の現役生である速水さんからは、ボーディングスクール進学の準備について説明がありました。出願に必要な書類や事前に受けるべきテスト、具体的なスケジュールを紹介した後、「自らになぜ、と常に問いかけること」、「自分と向き合い、強みや弱みを把握すること」、「面接では積極的に質問し、ここで学びたいという姿勢をアピールすること」などをアドバイスとして挙げました。そして、まさにこのプロセスが、これからのアメリカの大学出願に向けて非常に役に立つ、と語ってくれました。
続いて登壇したBSAJメンバーの大橋幸太さん、久世眞由美さんがプレゼンしたのは、ボーディングスクールでの生活についてです。大橋さんは寮生活の様子や課外活動、よくあるトラブルについて、時折聴衆の笑いを誘いつつ、紹介しました。その中で寮生活の特徴として、生徒だけでなく先生も寮生活を共にすること、学校によって様々な伝統行事があること、食堂はビュッフェ形式で、アレルギーや食習慣にきめ細かく対応してもらえることを挙げていました。
一方、久世さんは学業について説明し、少人数制の授業で議論が中心となり、単なる知識の習得にとどまらないこと、大学のように取りたい授業を選択できること、身近にいる先生に積極的にサポートを求めることができることを特徴として挙げました。このパートの途中には、荒木さん、小林さん、速水さんも交えて、10名程度の生徒が円卓を囲み生徒主導で議論する「ハークネステーブル」形式の授業も実演しました。
引き続き、大橋さんからボーディングスクール卒業後の大学進学について、説明がありました。大学進学準備のスタートラインがボーディングスクール入学時であることを強調し、早期から必要なテストを受験しておくこと、積極的にスクールカウンセラーに相談することなどをアドバイスしていました。
プレゼンテーションの最後には荒木さんが再び登壇し、ご自身のボーディングスクール時代の体験談を語りました。荒木さんは中学生という多感な時期に「なぜ勉強するのか」「友情とは何か」「自分とは何か」と思い悩んだそうです。しかし、ボーディングスクール進学後、家族や先生、友人といった周りの人に支えられながら学業に向き合うことで、人として大きく成長できたと述べました。
最後にYGCゼネラルマネージャーの松本より、次回のGCYS講演会のお知らせをはじめ、今後のイベントや講座についてお伝えし、第1部の講演会は終了しました。
第2部では会場を移し、ボーディングスクール17校の現役生・卒業生の有志による個別相談会を実施しました。来場した生徒や保護者の方々が、各々興味のある学校のブースを廻り、ブース担当者の話に熱心に耳を傾けていました。
イベント終了後のアンケートでは、「今まで誰に聞けばよいか分からなかったボーディングスクールについての話を聞けてよかった」という喜びのお声から、「ボーディングスクールに進学しようと思ったきっかけを聞きたかった」というご指摘まで、様々なご意見を頂戴しました。YGCでは皆様のご意見を大切にし、今後もさらによいイベントが開催できるよう、努力してまいります。
本イベントレポートは、今後グループ広報誌「さぴあ」、「SQUARE」、「Y-SAPIX Journal」にも掲載予定です。併せてご覧ください。