★New Hampshire ニューハンプシャー州
今回はアメリカ北東部のニューハンプシャー州を紹介します。ニューハンプシャー州といえば、2月にYGCが行ったイベントにてご紹介した、アメリカの名門ボーディングスクール、フィリップス・エクセター・アカデミーがあります(イベントの様子はこちら)。このイベントでご講演いただいた、Thomas Hassan氏の奥様であるMaggie Hassan氏が州知事を務めています。
州の愛称は「The Granite State(花崗岩の州)」。州北部にあるホワイト山地のキャノン山には、5つの大きな花崗岩が組み合わさってまるで老人の横顔のように見える「山の老人(Old Man of the Mountain)」と呼ばれる崖がありました。残念ながら2003年に崩壊してしまいましたが、ニューハンプシャー州の25セント硬貨のデザインとしてその姿が残っています。
ニューハンプシャーはアメリカの歴史や政治に大きな役割を持っています。いくつか紹介しましょう。
①アメリカで最初に独立を宣言した州
ニューハンプシャーは13植民地の1つでした。1776年にアメリカ独立宣言が採択されましたが、その半年前、既にイギリスからの独立を宣言した州があります。それがニューハンプシャーで、アメリカで一番に独立を宣言した州となりました。
②ポーツマス条約が締結された州
学校で誰もが学習する、日露戦争の講和条約である「ポーツマス条約」は、ニューハンプシャー州南東部の港町ポーツマスで結ばれたものです。ニューヨークなどの大都市から遠すぎないこと、軍港であること、また警備の目が届きやすいこともありこの場所が選ばれました。
③アメリカ大統領選挙の予備選挙(Primary)が最初に行われる州
白熱している2016年アメリカ大統領選挙ですが、現在行われている大統領候補を選出する「予備選」には2種類の方法があることをご存知ですか?主に話し合いで勝者が決まる党員選挙(Caucus)と投票で勝者が決まる予備選挙(Primary)があり、どちらの方法を取るかは州に委ねられています。「予備選」を先陣切って実施するのはアイオワ州ですが、アイオワは党員選挙を行います。一方、予備選挙を全米で最初に行うのがニューハンプシャーなのです。予備選挙は非常に注目を集めることから、「どの州よりも早く行うこと」が州の規則として決められています。
ニューハンプシャー州にはIvy Leagueのひとつで、全米で13番目に長い歴史を持つダートマス大学(Dartmouth College)があります。学部教育に重点を置いており、Ivy Leagueの中で最も規模が小さく教授と学生の距離が近いことで知られています。