Yale-NUS大学が2025年に閉鎖を予定
米国イェール大学(Yale University)とシンガポール国立大学(National University of Singapore: NUS) が共同で設立したYale-NUS大学(Yale-NUS College)は、2025年に閉校することを発表しました。
今年7月、NUS学長の陳永財氏はYale-NUS Collegeに代わる「新しい大学」を設立する意向を表明しました。その主な目的は、シンガポールでリベラルアーツ教育をよりアクセスしやすく、更に包括的にすることであるそうです。Yale-NUS Collegeはこれまで毎年約250名を受け入れており、そのうち留学生の割合は約40%です。設立予定の大学では、より低い学費で約2倍となる500名程度の学生を受け入れることを計画しています。この新しいプログラムでは、Yale-NUS CollegeとNUSの大学奨学生プログラム (NUS University Scholars Program) が統合され、Yaleの名前は外れることになります。
権威主義的で表現の自由に制約があるとされる国家での大学設立は、様々な議論を招きました。開校当初からYale-NUS Collegeがシンガポール政府からの資金援助を受けていることもあり、Yale Universityは、Yale-NUS Collegeが表現の自由の保障や差別の禁止に関するガイドラインを設けていないこと、実質的に管理できない大学に名前を置いていることについて多くの批判を受けていました。
新大学の設立に向けて準備を進める中、NUSは、現在Yale-NUS Collegeに在学している学生が同大学で学業を修了できるようにすることも発表しています。在学生全員が卒業する2025年までは現在の管理委員会が維持されるため、在校生は卒業生と同等の教育、資金援助を受けることができます。学位も通常通り授与される見込みです。