米国大学受験における ”Waitlist” と “Deferral”
米国大学受験の合否判定には、Accepted(合格)とRejected (不合格)の他に、Waitlist(補欠)とDeferral(保留)というステータスがあります。Waitlist(補欠)については、日本でも一部の大学の入試で補欠・追加合格のシステムがありますが、Deferral(保留)については、イメージが湧きにくいかもしれません。米国大学受験において、WaitlistとDeferralはそれぞれ具体的にどのような状態を意味するのか、こういった結果を受け取った場合、次に何をすれば良いのか、順番に解説します。
Waitlist
まずWaitlistは、「現時点では合格に達しなかったが、欠員補充のためのリストに入っている」という状態です。Waitlistは主に、大学側が合格者の歩留まり率*1 を予測した上で、追加合格者の数を調整するために用いられるシステムです。一方で、受験者のテストスコアや成績など、何か一部の要素が大学の求める基準を満たしていないために、Waitlistに追加されることもあります。2018-2019年度の入試では、一旦Waitlistに入れられた受験者が最終的にその大学に合格できる確率は約20%、難関大学に限れば約7%でした*2 。決して高い確率ではないものの、可能性はゼロではありません。Waitlistの通知を受け取った大学へ行きたいという意志がある場合、それを手紙やメールで大学へ伝える必要があります。意志だけではなく、より良いテストスコアや新たな受賞歴等がある場合はそれも伝えて、自分がその大学にふさわしい学生である旨をアピールすることが大切です。
*2 “2019 State of College Admission”, National Association for College Admission Counseling (NACAC)
Deferral
続いてDeferralは、「合否判定を下すことを延期し、受験者の出願書類を後日再検討する」という意味です。こちらは主に早期入学者選抜(Early Decision またはEarly Action)で発生します。早期選抜は出願者数が少ないというメリットがありますが、合格するのはその中でも特に優秀な学生です。大学側は、平均もしくはボーダーライン上にいる出願者については、Regular Decisionの出願者とのバランスを見て合否判定を行いたいと考えます。そのため、自分がそういった位置にいる場合は一旦Deferralの通知が送られてくることになります。すべての大学がDeferralの制度を取り入れているわけではなく、また、Deferralの対象となった出願者の最終的な合格率は、当然ながらその年の総受験者数や他の受験生の質に左右されます。Deferralの通知を受け取った場合、大学から追加の書類(最新の成績証明書等)の提出を求められることがあります。加えて、先のWaitlistの通知を受けた場合と同じく、課外活動で成果を出す、GPAを上げる等、自分の情熱を大学に伝え続けることが大切です。
一つ注意点としては、最終的な合否結果の出る時期が、Waitlistの場合は5月以降、Deferralでも3~4月頃になります。そのため、志望する大学へのアピールと並行して、他の大学への進学も選択肢として同時に検討しておく必要があります。Waitlist、Deferralいずれの場合も狭き門にはなりますが、結果を見てすぐに諦めるのではなく、その後に自分から大学へ積極的に働きかけることが、合格を引き寄せる鍵となるでしょう。
YGCでは、米国大学出願に向けたアプリケーションプロセスの指導(Essay、Interview、課外活動など)も行っておりますので、出願を検討されている方はぜひお問い合わせください。