プリンストン大学 学費免除の拡充
米国名門私立大学アイビーリーグの1校でもあるプリンストン大学は、2023年度の秋学期より世帯収入100,000ドル(約1400万円)以下の学生を対象に、学費を全額免除すると発表しました。学費には授業料のほか、寮費や食費、教材費なども含まれ、これにより全学生の25%以上が学費援助を受けられることになります。
これまでは、世帯収入65,000ドル(約910万円)以下の学生を免除対象としていましたが、学生の学費負担をめぐる議論の高まりを受け、免除額を引き上げることになりました。同大学の学長は「様々な社会経済的背景を持った優秀な学生たちを受け入れる*1」と表明。今回の拡充に伴い、より多様なバックグラウンドを持つ学生が2023年度の募集期よりエントリーすることが予想されます。
学費免除拡充の背景には、高額な米学生ローンの問題も要因の一つとしてあると考えられます。米国私立大学に通う学生は、平均28,950ドル(約400万円)の学生ローンを抱えており、返済には約20年かかっています。米学生ローンの借り手が約4500万人にも上る現状を受け、今年8月、バイデン米大統領は「連邦政府が提供する学生ローンの返済を一部免除する(高所得者を除く)*2」と発表しました。
以前から米国私立大学の学費の高騰が話題を呼んでいますが、プリンストン大学は学生ローンを初めて免除した大学でもあり、アイビーリーグの中では比較的リーズナブルな学費で通える学校です。同大学、そして米国内での学費免除基準の見直しに伴い、プリンストン大学の人気は今後も益々高まると言えるでしょう。また、同校を含む米国名門私立大学は、留学生にも非常に人気の高い学校です。米国内の大学を狙っている方は、各大学が提供している奨学金制度についてもリサーチしておく必要がありそうです。
*2“FACT SHEET: President Biden Announces Student Loan Relief for Borrowers Who Need It Most“, By The White House, August 24, 2022
※日本円の表記は 1ドル≒140円で換算しています。